共同通信杯1着、スプリングS3着の実績を引っ提げて臨んだ春のクラシックは、皐月賞14着、日本ダービー12着と結果を残すことができなかった。1800mの共同通信杯を勝っているものの、スピードに秀でたタイプで、ピッチの上がるマイルの方が、流れに乗りやすいはずだ。16日の調教では、武豊騎手が跨り、美浦南Cコースのニューポリトラック馬場で5ハロン66秒1―3ハロン37秒4―1ハロン11秒9の好タイムを馬なりでマーク。約5か月ぶりの実戦となるが、態勢はほぼ整った。これまで2度にわたる骨折でなかなか思うようにレースを使えずにいたが、今年1月のニューイヤーS(中山・芝1600m)で2005年の京都2歳S以来となる久々の勝利を挙げた。その後は小倉大賞典2着、中山記念4着、ダービー卿チャレンジT8着と勝ち切れない競馬が続いていたが、前走の関屋記念では上がり3ハロン32秒3(推定)の切れ味で他馬を一蹴し、完全復活をアピール。5歳世代を代表する好素材が、再び軌道に乗ってきた。秋緒戦の京成杯オータムHは、10番人気の低評価を覆して2着に食い込み、実力と距離適性を示してみせた。昨年暮れの朝日杯フューチュリティSでも10番人気ながら2着に好走したように、マイルではしぶといレースぶりが目立つ。中間の調整も順調で、9日には栗東坂路で4ハロン52秒0をマーク。15日の1週前追い切りは、DWコースで6ハロンから一杯に追われ、82秒台のタイムだったが、馬場が重かったことを考えると、及第点の与えられる内容だった。
今春は、緒戦の京都金杯こそ7着に敗れたものの、GIIの中山記念2着、読売マイラーズC3着、そしてGIの安田記念を3着と、堅実な成績を残してきた。昨春の京王杯スプリングCをコースレコードで勝利しているように、東京コースの高速決着は望むところだ。今回初めて手綱を取る内田博幸ジョッキーも、先週栗東に駆けつけて、乗り味を確かめている。入念な稽古量と鉄砲実績を考えれば、久々でも好勝負は必至だろう。精神面でもろいところがあり、前々走の朝日杯フューチュリティステークスでは、直線半ばで他馬に寄られるとひるむ感じがあった。しかし、流れに乗った時の強さは、2着馬に3馬身半差をつけた昨年暮れのディセンバーS(中山・芝1800m)で証明済み。前走のダービー卿チャレンジTは、57キロのハンデを背負ってクビ差競り勝つ強い内容だったが、その後、腰の不安で安田記念を回避した。秋緒戦をこのレースに定めて、美浦坂路で8日、16日と2週連続で好タイムをマーク。ほぼ万全の態勢で臨めそうだ。
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