これまで11戦して1番人気に支持されたのは1度だけ、という地味な存在だが、2歳時には、京王杯2歳Sで3着、朝日杯フューチュリティSで2着に入り、今春の皐月賞でもキャプテントゥーレから0秒5差の5着に入った実力派。これまで1600m前後の距離で好成績を残しているだけに、秋の始動戦としてマイルのこのレースに狙いを定めたのはベストの選択と言えるだろう。一発の魅力を秘めた存在だ。2歳10月にデビューするも、新馬・未勝利で、後の東京スポーツ杯2歳S優勝馬フサイチアソート、後の弥生賞馬マイネルチャールズなど、同世代のトップクラスの実力馬とぶつかったこともあって、初勝利は年明けにズレ込んだが、その後は500万下(中山・芝1600m)、ニュージーランドTを連勝。前走のNHKマイルCは7着に失速したものの、潜在能力は3歳世代屈指といえる存在。リフレッシュ放牧で立て直しを図り、体調は良好だ。
今春は、緒戦の京都金杯こそ7着に敗れたものの、GIIの中山記念2着、読売マイラーズC3着、そしてGIの安田記念を3着と、堅実な成績を残してきた。昨春の京王杯スプリングCをコースレコードで勝利しているように、東京コースの高速決着は望むところだ。今回初めて手綱を取る内田博幸ジョッキーも、先週栗東に駆けつけて、乗り味を確かめている。入念な稽古量と鉄砲実績を考えれば、久々でも好勝負は必至だろう。精神面でもろいところがあり、前々走の朝日杯フューチュリティステークスでは、直線半ばで他馬に寄られるとひるむ感じがあった。しかし、流れに乗った時の強さは、2着馬に3馬身半差をつけた昨年暮れのディセンバーS(中山・芝1800m)で証明済み。前走のダービー卿チャレンジTは、57キロのハンデを背負ってクビ差競り勝つ強い内容だったが、その後、腰の不安で安田記念を回避した。秋緒戦をこのレースに定めて、美浦坂路で8日、16日と2週連続で好タイムをマーク。ほぼ万全の態勢で臨めそうだ。
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